「電気電子工学科(電気系)って何をするんだろう」
「メリットはあるんだろうか」
「就活は有利なんだろうか」
どの学科に入るか悩んでいる大学生の疑問に電気系(電気電子工学科)を卒業した私がお答えします。
この記事の内容
電気電子工学科について
- 入って良かったと思うこと
- 勉強する内容
- 卒業後の進路
この記事を書いている人
- 電子工学科を卒業
- 大学院で電子工学研究科に所属
- 一部上場企業4社に合格
この記事を読むことで、電気電子工学科に入る利点、学ぶこと、卒業後の進路などについて知ることができます。
この記事は5分程度で読めます。電気電子工学科について知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
※電気工学科と電子工学科で違いはありますが、得られるメリットはほとんど同じです。以下では電気電子工学科を電気系と呼ぶことにします。
電気電子工学科に入って良かったこと
電気電子工学科はたいていの場合、他の学科よりも競争率が低いです。そのため、偏差値が高い大学でも電気系なら、入りやすいです。
さらに入学後や卒業後に得られるメリットが多いため、電気系はとてもコスパが良いです。
以下に電気系に入って良かったことを紹介します。
就活で有利
まず1つ目は就活で有利なことです。
電気系を卒業した人を企業は欲しがっています。というのも電気系を卒業した人は様々な分野で必要とされるからです。
今では、スマホ、パソコン、自動車、エレベーター、工場など世の中のあらゆるものが電気で動いています。これからはIoTがさらに進むため、さらに電気系の人間が必要とされる社会になるでしょう。
しかし、電気系を卒業した人は社会が求める数に足りていません。そもそも理系に進む人が少ない世の中で電気系はかなりレアです。
こういった理由から電気系は就活では”売り手市場”となり有利です。
実際に私は一部上場企業4社に合格することができました。
プログラミングスキルを身につけられる
2つ目はプログラミングスキルを身につけられることです。
これからIoTが進み、企業でもビッグデータを扱うことが増える中で、プログラミングスキルは”最強の手に職”です。
プログラミングと聞くと、情報学科を思い浮かべますが、電気系でもプログラミングを使う場面が多いです。
研究室に配属されると、実験データの解析やシミュレーション、理論式と実験データの比較などで、プログラミングを使用する機会が多いです。
こういう風に必要にせまられてプログラミングを使うと、何となく勉強するよりも何倍も身につきます。
私はパソコンの操作すらまともにできないぐらい機械に弱かったんですが、研究室でプログラミングを使っていく中で、自然とスキルを身につけることができました。
理学に近い内容に触れることができる
3つ目は理学にかなり近い内容を学ぶことができることです。
”工学”と聞くと、理学よりも下に見てしまう人もいるかもしれません。(実際はそうではないと思いますが)
電気電子工学科ではマクスウェル方程式から始まる電磁気学、電磁気学を基礎とした量子力学、第三の状態と呼ばれるプラズマを扱うプラズマ科学など他にもたくさんの理学を学ぶことができます。
電気系では理学を学ぶことができ、さらに就活に強い工学科でもあるため、理学部と工学部のいいとこどりができます。
私も研究している内容は理学そのものですが、所属が電子工学科なので、就活をとても有利に進めることができました。
電気電子工学科で学ぶこと
電気電子工学科で学ぶことは身の周りにあるパソコンやスマホなどに使用されている部品の動作原理や、発電や消費電力などのエネルギー関係のことです。
私が所属していた大学では2年次の終わりまでは電気工学科と電子工学科で学ぶことは同じでした。
最も大切な科目として、電気回路と電磁気学。
次に大切なのが、解析学、線形代数学、複素関数学などの数学でした。
3年次からは電気工学科と電子工学科は異なる科目を勉強することになりました。
ざっくりと説明すると、
電気工学科
大電力を扱う傾向にある。発電や消費電力など、エネルギーにフォーカスしたことを学ぶことができる。
電子工学科
小電力を扱う傾向にある。パソコンやスマホなどのデバイスに使われている半導体や電子回路などにフォーカスしている。
今だからわかることですが、電気も電子も本質は同じで、選んだ専門分野が大電力か小電力かというだけの違いです。
直感的にはエネルギーに興味がある人は電気工学科、デバイスに興味がある人は電子工学科で良いと思います。(私が所属していた大学では研究室に配属される際には電気も電子も関係なく好きな研究室に希望を出すことができました。)
電気系で学ぶことはこれからさらなる技術革新をむかえる世界できっと役に立つことです。安心して学んでいけばいいと思います。
卒業後の進路
電気系に限りませんが、理系の進路は大きく分けて、2つ存在します。
民間企業に就職するか、アカデミックの研究者になるかです。
ここでは電気系ならではの事情について説明していきます。
民間企業に就職
私の同期では民間企業に就職する人が圧倒的に多かったです。(今後もこの傾向は変わらないでしょう)
民間企業に就職する際は理系就職と文系就職という選択ができます。
理系就職
就職後の仕事内容が理系にしかできない職種(理系しか募集していない)
例:開発職、研究職、設備技術など
文系就職
就職後の仕事内容が理系でも文系でもできる(理系・文系問わず募集している)
例:事務職、営業職、企画職など
理系就職では電気系が不足しているため、上でも触れましたが、良い企業に入りやすいです。
また、理系が文系就職することはそれなりの強みがあります。なぜなら、理系は文系よりも大学を卒業するために苦労しているからです。理系は単位を取るために、ある程度の苦労をする必要があり、研究室では実験やシミュレーションなどを行うことになります。
同じポテンシャルを持っている場合、より苦労しているほうが成長していることは間違いないでしょう。こういった点で、民間企業は理系人材を文系職に求める傾向があります。
電気系であれば、理系就職はもちろん、文系就職も有利に進めることができます。
アカデミックの研究者になる
かなり少数派になりますが、アカデミックの研究者を目指すという進路もあります。電気系であれば、アカデミックという険しい道のりに保険をかけることができます。
アカデミックに進むためには、大学4年間で学士を取得、大学院2年間で修士を取得した後、さらに大学院約3年間で博士を取得する必要があります。
さらに、博士を取得した後は期限付き(2~3年程度)のポスドクとして、研究することになります。ポスドクが終われば、自分で新しいポストを探さないといけません。アカデミックでは民間企業のように終身まで働くことは難しいです。定年するまで安心して研究することができる、准教授というポストは早くて40を過ぎたぐらいでついている人が多い印象です。
このようにアカデミックの道を進むことは大変ですが、電気系は就職が有利なため、途中で民間企業に勤めるという方法もあります。実際に私の先輩で博士を取得したあとに民間企業に勤めている人がいます。
逃げているように思われるかもしれませんが、険しい道をゆくなかで、他の選択肢があることはとても大切です。電気系であれば、このような保険をかけることができます。
まとめ
電気電子工学科(電気系)に入って良かったこと、勉強する内容、卒業後の進路などについてまとめました。
ポジショントークと言ってしまえばそれまでですが、実際に電気系に進むことで得られるメリットはたくさんあります。
どの学科に進めばいいか悩んでいる方は電気電子工学科への進学を検討してみることをおすすめします。
以上です。